はじめに
皆さま、こんにちは。今回は中小企業・小規模事業者の皆さまに朗報となる「IT導入補助金2025」についてご紹介します。デジタル化の波が押し寄せる中、業務効率化や生産性向上のためのITツール導入を支援するこの制度について、詳しく解説していきましょう。
IT導入補助金2025とは?
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のデジタルトランスフォーメーションを促進し、業務効率化と生産性向上を支援する国の補助金制度です。2025年度版では、以下の特徴があります:
- デジタル化基盤整備の推進: 基幹システムやクラウドサービス導入による業務の効率化・自動化を支援
- インボイス対応: 2023年10月導入のインボイス制度への対応に必要なシステム・機器導入を支援
- セキュリティ対策: サイバーセキュリティ対策強化のためのツール導入・設定を支援
- 複数社連携: 複数の中小企業等がグループを形成し、共通のシステムを導入する取組を支援
この制度は単なる機器導入の補助にとどまらず、DX推進による生産性革命、デジタル技術活用による企業競争力の向上、業務自動化による労働力不足への対応、そしてサイバー脅威からの企業防衛力向上を目指しています。
補助対象は何?
IT導入補助金2025では、4つの補助枠が用意されており、それぞれ異なる目的に応じたITツールの導入を支援しています。
1. 通常枠(A類型・B類型)
- A類型: 会計、受発注、決済、給与、顧客管理などの基本的なバックオフィス業務システム
- B類型: A類型に加え、より高度な販売管理、在庫管理、生産管理、プロジェクト管理などの業務プロセス全体に関わるITツール
対象となるのは会計ソフト、顧客管理システム、受発注システム、在庫管理、生産管理システムなどです。
2. インボイス枠(デジタル化基盤導入類型)
インボイス制度への対応に必要なITツール導入を重点的に支援する枠です。主な対象は:
- クラウド会計ソフト、電子帳簿保存システム
- POSレジ・券売機等のインボイス対応機器
- 電子受発注システム、電子決済システム
- 業務用PC・タブレット(事務処理用端末)
3. セキュリティ対策推進枠
サイバーセキュリティ対策の強化を目的としたITツール導入を支援します:
- UTM(統合脅威管理)を含むセキュリティ機能付きITツール
- EDR(エンドポイント検知・対応)ツール
- マルウェア対策・ウイルス対策ソフトウェア
- セキュリティ監視・運用サービス
4. 複数社連携型
複数の中小企業・小規模事業者が連携してITシステム導入を行う取組を支援します:
- グループ全体のデジタル化を推進するITツール
- 共同受発注システム、共同配送管理システムなど
- クラウドベースの情報共有・コミュニケーションツール
補助率と補助上限額は?
各補助枠における補助率と補助上限額は以下の通りです。2025年度は一部拡充されています!
通常枠
- A類型:
- 補助率:1/2以内(※最低賃金近傍事業者は2/3以内に拡大)
- 補助上限額:150万円
- 補助下限額:5万円
- B類型:
- 補助率:1/2以内(※最低賃金近傍事業者は2/3以内に拡大)
- 補助上限額:450万円
- 補助下限額:50万円
インボイス枠
- ソフトウェア・クラウド(1年分):
- 補助率:2/3以内
- 補助上限額:50万円
- 補助下限額:5万円
- レジ・券売機等:
- 補助率:2/3以内(20万円未満部分は3/4以内)
- 補助上限額:20万円
- 補助下限額:5万円
- PC・タブレット:
- 補助率:2/3以内
- 補助上限額:10万円/台(最大2台まで)
セキュリティ対策推進枠
- 補助率:1/2以内(※小規模事業者は2/3以内に拡大)
- 補助上限額:150万円(※拡大されました)
- 補助下限額:10万円
複数社連携型
- 補助率:1/2以内
- 補助上限額:最大4,500万円/グループ
※最低賃金近傍事業者とは、3か月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員数の30%以上である事業者を指します。
2025年度の主な変更点
2025年度のIT導入補助金では、以下の拡充が行われました:
- 通常枠:最低賃金近傍事業者への補助率拡大(1/2→2/3)
- セキュリティ対策推進枠:補助上限額拡大(60万円→150万円)
- セキュリティ対策推進枠:小規模事業者への補助率拡大(1/2→2/3)
- 補助対象ITツールの拡大:IT活用の定着を促す導入後の”活用支援”も補助対象に追加
申請の流れ
IT導入補助金2025の申請は、以下のステップで進めます:
1. 事前準備(1月頃~)
- IT導入支援事業者の選定
- 自社に適したITツールの選定
- 導入計画の検討
2. 事前登録(1月末頃~)
- 申請マイページの作成
- 基本情報・企業情報の登録
- gBizIDの取得(必須)
3. 交付申請(3月末頃~)
- ITツール情報の入力
- 導入計画・経費計画の提出
- 必要書類のアップロード
- SECURITY ACTIONの宣言
4. 交付決定(審査通過後順次)
- 審査結果の確認
- 交付決定通知の受領
- 交付決定後に契約・発注可能
5. 契約・導入
- 契約・発注手続き
- ITツールの導入・設定
- 支払手続き(原則全額)
- 導入実績の証拠保存
6. 事業実施報告
- 実績報告書の提出
- 導入効果の測定・報告
- 証憑書類の提出
- 検査・確定通知受領
重要なポイント
申請にあたって押さえておくべき重要なポイントをご紹介します:
- 交付決定前に契約・発注しないこと
- 必要書類は締切に余裕を持って準備すること
- 登録されたITツールから選定すること
- 事前確認は必ず実施すること
- 不正行為は厳正に対処されます
まとめ
IT導入補助金2025は、中小企業・小規模事業者のデジタル化を強力に後押しする制度です。特に2025年度は補助率の拡大や対象範囲の拡充など、より利用しやすい内容となっています。
急速に進むデジタル化の波に乗り遅れないためにも、この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。申請にあたっては、公式サイトで最新情報を確認し、計画的に準備を進めることをお勧めします。
問い合わせ先
詳細情報や最新の申請スケジュールについては、以下の公式サイトをご確認ください。
IT導入補助金事務局公式サイト:https://it-shien.smrj.go.jp/
お電話でのお問い合わせは公式ホームページをご参照ください。
※本ブログ記事はIT導入補助金2025の概要をまとめたものです。申請にあたっては、必ず公式ウェブサイトで最新情報をご確認ください。
※IT導入補助金は不正を絶対に許しません。虚偽申請、詐欺行為、架空取引等の不正行為には厳正に対処します。不正受給は返還義務に加え、加算金の支払いや刑事告発の対象となりますのでご注意ください。